創業?起業?決意する前に

創業することとは何か、 起業する意味とは何か、創業を決意する前に一度立ち止まって考え てみましょう。

経営者と会社員の違い(夢に挑戦する)

経営者と会社員は何が異なるのでしょうか。
例えば給与の面でみると、多くの会社員の給与は一定になり比較的将来の予測も立てやすい傾向にありますが、 経営者の場合は、もしも売上が無ければ給料は0にもなります。またその反面、数倍となることもあり得ます。 また労働時間の面でいうと、会社員の勤務時間はある程度決まっていますが、経営者は自ら作り出さなければなりません。多くは常に時間はありません。 業種やタイミング、状況によっては24時間常に事業のことを考えるようになります。つまり休む暇はありません。営業販売や商品開発だけでなく、資金繰りや銀行対応、スタッフの人事などすべてのことに対応しなければなりません。

とは言えど一方で休むことも必要です。 経営者がご病気や事故等で事業が継続できなくなった時には、売上が減るだけでなく、信用を失う恐れあります。 常に事来のことを考えると言いながらも、時折休みながら、自分自身をマネジメントする技術が必要になります。

それでも創業をしたいという意思や覚悟があるのか、自問する必要があります。 創業するということは経営者となることです。経営者は自分で意思決定を行い、その決定に対して責任をもち、そしてその報酬を自ら受け取るのです。

「自己実現」 としての創業

「自己実現」 とは 「なりたい自分」になることを言います。この自己実現欲求は人間の持つ欲求のなか で最も高い次元の欲求であると言われます。創業の目標、目的、醍醐味はこの自己実現にあるといえます。
自らが高い目標と高い志をもち、リスクを覚悟のうえで自ら意思決定を行い、 事業を作り出すことを通じてなりたい自分になることが、 創業を行う上での最大のメリットといえるでしょう。

ステークホルダー=経済社会システム

創業すると社会とより直接的に関わるようになります。 お客様はもちろんですが、仕入先や協力企業、 従業員とその家族、銀行などの金融機関、 行政官庁や税務署、 商工会議所や商工会、 そして地域住民など様々な関わりを持つことで事業が成り立つためです。この直接的、間接的に影響を受ける人々や団体のことを「ステークホルダー」 といいます。 経営者は一人で事業を行うことはできません。 ステークホルダーと良好な関係を築いていくのか?どう保つように行動すべきか、常に考え、配慮することが必要になります。

創業とはあなたの人生そのもの

5年前も10年前も厳しい経営環境ですが、創業したばかりの後発企業はゼロから信用を築いていかなけれなりません。 生き残りをかけた競争です。この競争に勝ち残っていくためには、 経営者はより強靭なビジネスモデルを創造し、朝起きてから寝るまで 時間365日事業のことを考えるくらいの覚悟をもつことが求められます。 もしかすると「起業」 とは人生そのものと言えます。 自らの人生をかける覚悟をいま一度自らに問いかけ てほしいと思います。

創業は楽しいですか?辛いですか? 厳しいですか?

厳しいことばかりを書いてきましたが、 創業支援の仕事をやってきて思うのは、創業に対して思う「楽しい」「辛い」「厳しい」などの感情 は、 結局のところ人それぞれだということです。 私の知り合いで、英会話の講師を行っている方がいます。 もともとは大手英会 話スクールでとても楽しくやりがいを持ってやってきたけど、お客様個人のレベルやニーズに合わせて満足してもらうためには、自分でやるしかない。 そしていま元気にがんばっています。 そんな 方のお話を聞くのはこちらも楽しいです。
また私の知り合いで、居酒屋を経営している方がいます。 学生時代のアルバイトの頃から「いつかは自分の店を持ちたい」と考え、修行に5年を費やし、ついに自分の店をオープン。 自分が工夫を凝らしてメニューを考えたり、仕入先を考えたりしています。やはり楽しくお店をやっており、私もよく訪問しています。

ぜひもう一度立ち止まって本当に創業したいのか?ぜひ考えてみてください