事業の「骨格」を強くしよう

例えば 「パン屋をやりたい」と決めたとします。次のステップでは「どんなパンをやりたいのか?]
を考えてみましょう。各地域には個性があるパンがあり、様々なパン屋さんがあります。
リーズナブルなパンで多くの方に支持を得ているパン屋もあれば、
こだわりをもってクオリティの高い材料を使う、価格は高いけど満足度の高いパンを提供しているパン屋さんなど様々です。

事業の 「骨格」は3つの視点で考えてください

経営学では 「ドメイン」 といいます。
もともと生物学用語で 「生存領域」という意味です。

企業は 「環境に適応する生き物」と例えられます。
経営者は、自社の「生存領域」として自社がどの市場でどのように戦っていくのか、「決める」ことが必要で、主な仕事として考えても良いと思います。長期間生き残る経営を実践している企業はこれらの視点を定め、基本方針を大切にし、環境変化に合わせて変化させています。

事業の「骨格」を決める3つの視点

お客様の求めていること(needs)(wants)は何か?
お客様は誰か?(who)どんな人か?
提供できること、どんな強みがあって、どう応えるか(how)

お客様は何を求めているか?

お客様がどのような
必要性
悩み
期待
をもっているのか?を明確にします。
あなたの事業を儲けさせてあげようと思って来店するお客様はいません。
お客様のもつニーズや悩み、期待に応えることができるからこそ来店され、提供されるサービスや商品を購入し、お客様になっていただけるのです。ターゲットのニーズがどのようなものか、明確にしていきましょう。

お客様は誰か、どんな属性の人か?

あなたの店や事業はどんな人がお客様になってくれるのでしょうか?
「ターゲット」を明確に絞ることです。
ターゲットを絞ることで、限られた経営資源であるヒト、モノ、カネを効率的かつ有効に使うことができます。
そして、そのターゲットに対してのメッセージも、よりクリアに伝わると思います。

お客様に提供できるどんな強みがあるか?どう応えるか?

自社のセールスポイントやこだわりを明確できますか?
できるのならばそれを相手に伝えることが必要です。
セールスポイントやこだわりも、知っていただけなければ意味がありません。
もしセールスポイントになるような強み、他社には出来ない独自の技術などが不足しているのであれば、それを補い磨き上げる必要があります。 そして、日々セールスポイントを磨き上げるプロセスも情報発信することで、お客様に対しては魅力として伝わる可能性があります。

これらの事業の骨格は創業時だけでなく、創業後も考えていくことが重要です。
なぜならneedsもwantsも変化し 「お客様”常に”は変わる」からです。
また、 自分も変わります。

ご存知かと思いますが国内最大手のフィルムメーカーが化粧品事業に進出しました。デジタルカメラが台頭し、フィルムの必要性が無くなる中、生存領域を変えました。
まさにフィルム事業を取り巻く環境が変化し、お客様やそのニーズが変わり、フィルム事業としての伸びが見込めなくなったからです。 そして過去この技術という強みを活かして、 別事業に進出するというストーリーを考えたからです。
このように変化することを恐れず常に自社の市場、生存領域を環境変化に合わせて変化させていきましょう。