常にやらなければならないマーケティング

創業したら、常にやらなければならないのが「マーケティング」
まずは「マーケティング」という言葉の表す意味を理解したうえで、売上高につなげる活動を検討していきましよう。

マーケティングとは

日本マーケティング協会は、「マーケティングとは企業およひ他の組織がグローバルな視野に立ち顧客との相互理解を得ながら、公正な竸争を通じて行う市場創造のための総合的活動である」と定義しています。つまり、”欲しいモノとそれを欲しいと思っている人を効率よく繋ぐ”というところにあります。事業者としては、「売れるしくみ作り」といえまただ一般的には、”販売促進活動”と同義として使われることもありますが、販売促進活動は、「販売促進活動」と記述し区別することとします。
また、マーケティングは、時代の変化とともにその概念も移り変わっていきます。近年では、情報の流通経路が変化していることで、大きく変わってきています。これまでは、テレビ、や新聞などのマスメディアからの情報が主流でした。現在は、一般の人が発信源となって双方向の情報流通をしたり、情報を持つ人がマスメディアを介さず直接情報を流通させたりすることが主流となっています。
参考:
スマホの利用時間は、年齢によってどう違う?~「メディア利用の生活時間調査 2021」の結果から~
https://www.nhk.or.jp/bunken-blog/500/472726.html
創業でもネットの活用として SNS は重要なテーマとして取り扱います。

売上を上げるためには

それでは実際に売上を上げるためには、何をどうすればよいのでしようか。
売上高は、一般的に以下の要素から成り立っています。商品力、販売力、運営力はそれぞれ掛け算こなっていますので、何かが不足すると売上高を確保することはできません。
つまりこれらの各要素について、総合的に取り組む必要があります。

商品カ:商品の魅力・他社製品との違い・コストパフォ ー マンスなど
販売カ:商品 PR ・ターゲットとのコンタクト・売れる仕組みなど
運営カ:商品の提供能力(在庫管理・仕人・生産)など

商品・サービス

マーケティングでは、お客様の立場で商品の「価値」を考えることや、競合に勝っことのできる商品の「ウリ」を考えることが重要です。
商品・サービスの「価値」を考えるマーケティングを考えるにあたり、まずは自分が何を提供するのかを確認します。
それでは、あなたの商品はお客様に「どのような良いこと」を提供できるでしようか。
例えば、お客様がゴルフクラブを新調するのは、ゴルフクラブという金属の棒がほしいのではなく、飛距離やよいスコア、または所有することによる満足感が欲しいのです。またお客様が資格の学校に通うのは、教材や講義ではなく、資格を取得した先の未来が欲しいのです。お客様の立場に立って、あなたの提供する商品・サ ー ビスの「価値」を考えてみましよう。

商品・サービスの情報化

現代の事業環境においてインター ネットの活用は避けて通れない状況にあります。そこで重要なことは、「事業で提供する商品やサービスの『情報化』」といえます。事業で提供する商品は実際には物体であったり、体験などの無形物だったりしますが、これを情第化できるでしようか。これまでは、実際に見てもらって、触ってもらって、試してもらってという行為を経て、購入を促すことがよく行われていました。しかし以前は、通販には合わないと言われていた洋服や靴が、今では多くの人が当たり前のようにネットで購人し、新車のような高額商品ですらネットで販売されるようになってきています。商品やサービスの良さや事業者としての想いを情報化して伝えること事必要です。
情報化とは、文字・写真・音声・動・音声付動画などで表現することと考えてください。
魅力的に情報化できない商材は、売れる仕組みを構築することが困難な時代です。
事業で提供する商品・サービスのセールスポイントを文字で表現しましよう。どうすれば魅力的に情報化できるかを考えてみましよう。
効果的な情報化として、文字・写真・音声・画像・動画・音声付動画どれを使って情報化することも可能です。
IT技術に詳しくないという人でも、スマートフォンを1台で、これから提供する商品やサービスについてさまざまな面から情報化し、客観的に見てみることが重要です。カメラ機能で写真を撮って画像にすると実物と違ったように見えることはよくあります。買う側は、情報化された状態で判断するので、商品やサービスを魅力的に情報化することは、継続して研究していくテーマになると思われます。

商品・サービスの価格

事業を行うには「儲ける」こと。つまり、利益を残すことが大前提です。価格を決める際には、この視点を外すと、どんなに頑張っても儲からない事業になることも考えられます。
もっと言えば、儲かる価格で販売できないような事業は、根本から見直しが必要なのか、事業として成立していないかと慎重に考えること必要になります。
価格をどのように考えるか(例)
・競合他社の価格を参考にする
・類似品(サービス)を参考にする
・ターゲット層などから値ごろ感で価格を決める
・自社の仕人やコストを積み上げて、利益を上乗せして算出する
・キリのいい数字よりちょっと下(例:1,980円)にする
 など

もっと複雑に計算すると、いくつかある商品に役割を持たせて価格設定をすることもあります。
・集客するための商品と利益を稼ぐ商品を決めて、戦略的に価格を決める。
 -額な商品は売れないが、他の商品の価格を底上げして利益を伸ばす。
・わざと高額な商品を置いて、他の商品を安く見せる。
 -集客のための激安設定と人気商品の稼ぐ設定を組み合わせて、トータルで利益を確保する。

市場

現在の市場環境に合うのかどうか、将来に向けてどの程度まで継続して求められるのか、を考えます。
時代や環境に合うのかを考えるのが、創業時のマーケティングの第一歩であると言えます。


[考えが必要なポイント]
どのようなヒト・企業をターゲットにしますか?
そのターゲット層は今後どのように変化していくと想定されますか?

提供するモノ・サ ー ビスについて最新情報を集めていますか?
技術革新や新しいビジネスモデルの台頭はありませんか?

海外の動向は把握していますか?
海外でより進んだ商品はありませんか?海外へ展開する機会はありませんか?

個人消費者向けの事業では、人口動態を把握していますか?
市場が縮小傾向にあるなら、競争は激化することを見込んで仕組みを考えます。

台風や地震など大きな変化があった際に、事業は継続しますか?
一般に消費が急激に低迷する影響下での事業の継続性を検証します。

顧客

これから始める事業のお客様がどういう人/事業者なのか明確にイメージしておくと、商品/サービスを磨き上げたり、販売促進活動を考えたりする際に筋の通った立案ができるようになります。ターゲットを明確にすると、商品/サービス、また伝え方(情報化、販売促進)をどのようにすればいいのかを考える基準が明確になります。創業時には、資金的にあまりあれこれと試す余裕もないと思います。喜んでもらえる人に届けられるように事業のお客様は誰なのかを考えましよう。できるだけ具体的にイメージしておきましよう。
ターゲットにするお客様を具体的に考えてみましよう。


[具体的にすべきポイント]
人の場合:性別・年齢・住所・職業・家族構成・ライフスタイル・趣味など
事業者の場合:規模・所在地・事業内容・主要客など

そのお客様はどこから情報を得ていますか?
そのお客様は、どこでお買い物をしますか?

ブランディング

難しいのテーマですが、まずは、単純に”求められる存在になる”ということとして考えます。これからの事業で、売上を安定させるためには、多くの人や企業から求められる存在になること。ブランディングはそのためのものと考えます。もっと単純にするとブランディングとは、お客様にとってユニークであること”と表現できます。
では、具体的にどのようにしてユニークにしていくかを考えます。

事業者としてのブランディング

まずは、以下の文をこれから始める事業で組み立ててください。
当社は、〇〇業であるが、〇〇業ではない。(〇〇は同じものが入る。)
この例題の意味を察知して、さっと作成できればコーポレートブランディングは半分できているも同然です。できますか?
事業者として”求められる存在になる”には、他の同業者との違いが伝わっていることが必要です。今の例題を考えた時に、”小売業は、小売業だしなあ。。。”ということで止まってしまっては、同じ商材を扱う他のお店と比べて、求められる存在にはなりづらいと考えられます。例えば、大盛で有名なラーメン店は、まさに”ラーメン店であるが、ラーメン店ではない”という存在であり、最も過酷な業界の1つにありながら確固たる地位を築いています。

まずはこの文面を作ってみましょう。

「さて、どうやって「ではない」にしようか?」と考えたときに当店に来店してくれる動機は何だろうか?
そうか!当社は、小売店であるが、小売店ではない。当社が提供するのは、キュレーションサービスだ。便利なものを世界中から集めて、当店でお買い物をすれば生活が便利で豊かになる。ただの小売店ではなく、この地域ではこの店舗だけユニークな存在。・・など考えられます。

商品・サービスによるブランディングの場合
「いいもの」、「確かなもの」を提供すること。ここでしか手に入らない。ここで売っているものなら信用できる。というユニークな存在になります。

店舗によるブランディングの場合
店鋪内装の豪華さや取扱う商品のイメージに合わせた店舗づくりで、お客様の購買意欲を掻き立お気に人りの場所(他にないユニークな場所)となる。当然、リアル店舗のみならず、 WEBサイトやヴァ ー チャル店舗のデザインも同様に含まれる。 VR店舗が普及する時代が来ても、店舗がブランディングの要素になります。